中堅世代の危機を乗り切るMOJO開運の書

社会人になったばかりの時期にビジネス書を読みふけるという余裕のある若手でやり手なビジネスマンというのも、あまり多くないはずだ。むしろ専門のほうの勉強やOJTに時間が必要であって、それよりはちょっとメタな層で血肉となる、短期的というより長い目で見てはじめて価値をもつような本は、なかなか手が出ないというのがありがちな状況ではなかろうか。

しゃにむに全力疾走の時期は終え、ちょっと落ち着き、迷いが生じたあたりで、ビジネス書にヒントを求める。マーシャル・ゴールドスミス(他)著『コーチングの神様が教える「前向き思考」の見つけ方』の表現を借りて、MOJOを一度は得て、一旦は失い、そして取り戻す段階にあると表現することができれば、すなわち、本書は中堅世代にありがちな危機克服のマニュアルなんだな、ってな考えに行き着く。

MOJO(モジョ)、すなわち、

今、

自分がしていることに、

前向きな気持ちをもつこと。

それは自分の心の内から始まり

外に輝き出るものだ。

と本書では定義され、ときにフローやらゾーンとも呼ばれる状態。和風に言えば、憑依でもされたかのようなノリにノった状態。

ビギナーズラックなんて言葉もあるが、若いうちは勢いで成功することもあるし、恐いもの知らずで勝ちまくるが、ある年齢を過ぎると、チャンスの女神様の寵愛を受けっぱなしという状態は見られなくなる。開運グッズやパワースポットにはまりたくなる時期だ。

著者のマーシャル・ゴールドスミスはエグゼクティブ向けコーチングの権威とされるが、その著作がエグゼクティブ予備軍というか、企業の中堅層が数の上では読者の多くを占めると考えられる。

MOJOを手にするには、アイデンティティ、成果、評判、受け容れること、という4つの要素がすべて揃う必要がある、という。これらがどのように毀損され、新たに獲得できるのか、そのヒントを示してくれる。この4つの要素で分析するというフレームワークを具体的に示してくれたことが、本書の最もアリガタヤなとこなのだと考える。

特に、最後の「受け容れる」が、読んだ自分への最重要なプレゼントとなってくれたと思う。順序は最後なのだが、自分に何か深刻な問題があるらしいことを「受け容れる」のが最初にあって、それが「アイデンティティ」の再分析に始まる4段階のMOJO再獲得の旅への入り口となるのだと感じた。

さて、多くの方にとても役に立つであろうこのビジネス書、近隣の図書館で探すと、現在のところ唯一、平塚市立図書館が保有する。平塚図書館の書籍を選定される方のお目の高くてらっしゃることに感謝するばかりである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です