ベストリクエストの変遷

図書館のホームページでは、ベストリクエストという、予約の多い図書のランキングが紹介されている。平塚市図書館では現在のところ、予約者が31人以上という書籍が77件もあるとのこと。第1位「謎解きはディナーのあとで」は288人待ちで8冊所蔵。ということで、1人平均2~3週間と考えると、今予約しても1年以上待つことになると計算される。

近隣の図書館を調べると、ほぼ共通のロジック、1冊につき12~15人予約者が増えるごとに1冊所蔵を増やすというようなロジックが採用されているように見える。そうだとするなら、この第1位に関してはかなり保守的な姿勢をとっておられることがうかがえる。冊数を絞っている、ということだ。

この作に関しては本屋大賞第1位受賞の話題先行となっていて、実際に読んでみればすぐわかることなのだが、半分以上の方は、が~っかりされる、そういう可能性が低くない。楽しいといえばそりゃイマ風に滅法楽しい作風なのだが、軽薄ギャグがすべり加減で数打ちゃ当たるだろというライトな感覚。『お嬢様の目はふし穴ですか』のあの一言がすべて、なんてノリはオイラは嫌いではないけど。アマゾンの書評欄で酷評される。一年も待って読んで満足できるような作ではない、という辛口なご意見をお持ちの諸兄もおられよう。

さきほどの平均12人~15人という数字が意味するのは、だいたい半年程待てば読める、ということだ。で、実際、ベストリクエストの様子は1年を待たずに様変わりする。一昨年1Q84が席巻してたかと思えば、その後に「もしドラ」の時期があり、続いて東野圭吾作品群が台頭、さらにKAGEROUが来て、今の東川篤哉ブームである。

アマゾンのランキングが瞬間風速の流行度を示すのに対して、図書館のベストリクエストは累積が効く形でより長い目で見た潮流のようなものがうかがえる。せっかく市ごとに明らかにされているのだから、地域性のような興味深い特徴が見えてくるかというと、残念ながら、湘南地域どころか、横浜も川崎も、さらに東京は世田谷図書館(あちらではベストオーダーと呼ばれる)を見ても大差ない。

直木賞・芥川賞を受賞した作品も上位にジャンプアップする。今期の「下町ロケット」は現在11位と好調だが前期の「漂砂のうたう」は所蔵6冊のうち4冊は書棚に並んでいてすぐに借りることができる。1年に2回ある直木賞・芥川賞に対して、長くてもだいたい半年待てば読めるというロジックは、的を得ているのだろう。さらに言えば、流行というのが半年しか持たない、ということまで示唆しているかのようにも見えてくる。

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